キャリアコンサルタントの試験団体は『JCDA(日本キャリア開発協会)』『CC協議会(キャリアコンサルティング協議会)』の2つがあるため、「どちらで受験をすればいいのか分からない」という人も少なくありません。
なぜなら、論述試験の問題や、面接試験の評価項目に違いはあれど、試験の出題範囲は変わらず、本質的に問われるキャリアコンサルタントとしての資質は変わらないからです。
実際に、以下の過去の試験の合格率を見るとおわかりのとおり、試験団体ごとの合格率には、極端な違いは見られません。
| 試験回 | 試験科目 | JCDA (日本キャリア開発協会) | CC協議会 (キャリアコンサルティング協議会) |
|---|---|---|---|
| 第29回 | 学科 | 73.6% | 72.4% |
| 実技 | 64.5% | 64.2% | |
| 学科・実技同時受験 | 58.5% | 54.9% | |
| 第28回 | 学科 | 65.8% | 69.3% |
| 実技 | 69.4% | 67.2% | |
| 学科・実技同時受験 | 60.0% | 54.8% |
日本キャリア開発協会「第29回キャリアコンサルタント試験 試験結果」・「第28回キャリアコンサルタント試験 試験結果」
キャリアコンサルティング協議会「第29回キャリアコンサルタント試験 試験結果」・「第28回キャリアコンサルタント試験 試験結果」
本記事では、実際にキャリアコンサルタント資格を持つ当サイト運営者が、以下の内容について説明いたします。

本記事を読むことで、試験団体について理解をした上で「どちらの団体で受験しても問題ない」ことが分かるはずです。
また、「それでもどちらで受験するべきか迷う!」という人のために、試験団体の選び方についても解説しているので、ぜひ最後までお読みください。
キャリコン資格研究所 研究員キャリアコンサルタントの試験勉強に集中するための情報として、ぜひお役立てください。
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キャリアコンサルタントはどちらの試験団体で受けても問題無し
キャリアコンサルタントの試験団体は2つありますが、どちらの団体で受験しても問題ありません。
著者の意見としては、「どちらの団体で受験するか迷う時間がもったいなく、いち早く受験する団体を決めてキャリコン試験の勉強に集中した方が良い」と考えています。
どちらの団体で受験しても問題ない理由は以下の2つです。
- 論述試験の問題や面接試験の評価項目に違いはあるものの、本質的に問われるキャリアコンサルタントとしての資質は変わらないから
- どちらの試験団体で受験しても、合格率・難易度に大きな違いはないから
>詳細は本記事の「キャリコン試験団体別に合格率や難易度に大きな違いはない」で解説
私自身がキャリアコンサルタントとして活動して周囲の受験者の話を聞いて感じるのは、「どちらの試験団体で受験しても求められるスキルは本質的に同じ」ということです。
そのため、受験する試験団体に迷って時間を無駄にするくらいであれば、試験対策やカウンセリングスキルのブラッシュアップに時間を使った方がいいでしょう。



それでも「どちらか決めかねる」のなら、本記事の「それでも迷う人は必見!キャリコン試験団体の選び方」の章をご確認ください。


キャリアコンサルタントの試験団体はJCDAとCC協議会の2つ
冒頭でもお伝えしたとおり、キャリアコンサルタント試験を実施している団体は、「JCDA(日本キャリア開発協会)」と「CC協議会(キャリアコンサルティング協議会)」の2つです。
まずは、各団体の違いと共通点を以下の表で確認しましょう。
| 試験団体 (正式名称) | JCDA (特定非営利活動法人日本キャリア開発協会) | CC協議会 (特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会) |
|---|---|---|
| 試験の出題範囲 | 職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目 キャリアコンサルティングの理論に関する科目 キャリアコンサルティングの実務に関する科目 キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目 キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目 | |
| 合格率 | 45~65%程度 (学科・実技同時受験者の合格率) | |
| 試験時間 | 学科試験100分 論述試験50分 面接試験20分 | |
| 学科試験の内容 | 両試験団体で同じ内容が出題 | |
| 論述試験の内容 | JCDA:逐語記録を読み、設問に解答する CC協議会:事例記録を読み、設問に解答する ※問題形式がやや異なる | |
| 試験内容 (面接試験) | ロールプレイ15分+口頭試問5分 | |
| 合格基準 | 【学科】 100点満点で70点以上の得点 【実技】 150点満点で90点以上の得点(※) ※論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の評価区分の中の「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要 | (学科) 100点満点で70点以上の得点 (実技) 150点満点で90点以上の得点(※) ※論述は配点の40%以上の得点、かつ面接は評価区分「態度」「展開」「自己評価」ごとに満点の40%以上の得点が必要 |
| 試験日程 | 年3回(3月・7月・11月) 同じスケジュールで実施 | |
| 受験費用 | 合計38,800円 学科試験8,900円 実技試験29,900円 | |
参照:特定非営利活動法人 キャリアコンサルティング協議会「受験概要」
上表を見ると分かるように、どちらの試験団体で受けても大きな違いはありません。
ただし、論述試験の内容が若干異なることに加え、面接試験の評価項目が異なる点には注意しておきましょう。
JCDA(日本キャリア開発協会)の特徴
| 試験団体 | JCDA(日本キャリア開発協会) |
|---|---|
| 試験日時 | CC協議会と同日に実施 |
| 学科試験 | CC協議会と同じ内容 |
| 論述試験 | CC協議会とは異なるJCDAオリジナルの内容 |
| 面接試験 | 評価区分が異なる (JCDAの評価区分:「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」) |
JCDA(日本キャリア開発協会)は、2000年に設立されて以来「キャリアカウンセリング機能を社会システムとして具体化する」を基本理念に活動している団体で、2万人を超える会員を有しています。
また、キャリアカウンセリングの普及を目的に、講習や研究会、交流会など多彩な取り組みを展開。会員になると「更新講習の割引受講」や「研究会・啓発交流会への参加」など、学びと交流の機会が豊富に用意されています。
JCDAの特徴は、以下のとおりです。
- 国家資格制度以前からキャリアカウンセラーを育成
- 実務で役立つ更新講習を実施(会員は割引受講可能)
- 会員は2万人以上
- 会員向けの交流会や研究会を運営
ただし、JCDA・CC協議会どちらの団体で受験したとしても、会員になるためには別途手続きが必要です。
いずれの試験団体で資格を取得したとしても特に不利に働く要素は無いため、受験時は「試験問題の傾向(論述・面接試験)」を中心に試験団体を選ぶようにしましょう。



日本キャリア開発協会では、「CDA」という独自の資格認定制度を持っています。
CDA資格を取得するには、「CDAカリキュラム提供教育機関(現在は日本マンパワー社のみ)」のキャリコン養成講座を取得するのが近道になるため、これからスクールを選ぶ人は検討するといいでしょう。
CC協議会(キャリアコンサルティング協議会)の特徴
| 試験団体 | CC協議会(キャリアコンサルティング協議会) |
|---|---|
| 試験日時 | JCDAと同日に実施 |
| 学科試験 | JCDAと同じ内容 |
| 論述試験 | JCDAとは異なるCC協議会オリジナルの内容 |
| 面接試験 | JCDAと評価区分が異なる (CC協議会の評価区分:「態度」「展開」「自己評価」) |
キャリアコンサルティング協議会(通称・CC協議会、またはキャリ協)は、キャリアコンサルタントの資質確保とキャリアコンサルティングの普及啓発を目的として、2004年に設立された団体です。
キャリアコンサルタント国家試験だけではなく、上位資格である「キャリアコンサルティング技能検定」の唯一の実施機関でもあります。
以前はメールマガジン等による情報発信を行っていたものの、新しい職能団体である「一般財団法人ACCN」が設立されたことで、会員向けサービスはほぼ完全に移行されているようです。
- キャリアコンサルティング技能検定も運営
- メルマガなどの情報発信はキャリコン職能団体「ACCN」へ移行



いずれキャリアコンサルティング技能士(上位資格)を目指す人は、試験の傾向をつかむために、キャリアコンサルティング協議会(CC協議会)が実施する国家試験を受験してみるのがおすすめです。
キャリコン試験団体別に合格率や難易度に大きな違いはない
キャリアコンサルタントの試験団体である「JCDA(日本キャリア開発協会)」と「CC協議会(キャリアコンサルティング協議会)」のそれぞれの合格率推移(学科・実技同時受験者の合格率)は以下の通りです。
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| 試験回 | JCDA (日本キャリア開発協会) | CC協議会 (キャリアコンサルティング協議会) |
|---|---|---|
| 第21回 | 52.20% | 43.90% |
| 第22回 | 59.30% | 59.30% |
| 第23回 | 59.80% | 61.20% |
| 第24回 | 45.80% | 45.20% |
| 第25回 | 49.10% | 52.70% |
| 第26回 | 56.60% | 48.40% |
| 第27回 | 52.70% | 49.60% |
| 第28回 | 60.00% | 54.80% |
| 第29回 | 58.50% | 54.90% |
参照:キャリアコンサルティング協議会「合格発表」
参照:日本キャリア開発協会「試験結果」
上記の図表を見ると分かるように、直近数回の試験においてはJCDAの方がCC協議会に比べて3~5ポイント程度合格率が高い結果となっています。
したがって、試験団体を選ぶ際に「合格率」や「難易度」を基準にする必要はないといえるでしょう。



他に選び方が無い場合は「試験団体別の合格率で選ぶ」ことも間違いではありません。
ただし、JCDAの方が試験の難易度が低いというわけではないため、その点は誤解しないよう注意が必要です。


それでも迷う人は必見!キャリコン試験団体の選び方
ここまで、「キャリアコンサルタント試験はどちらの受験団体でもOK」であることと、その理由について解説してきました。
ですが、なかには「どちらでもいいと言われても困る」「試験団体を決める方法が分からない」と悩んでしまう人もいるようです。
その場合は、以下の方法でキャリアコンサルタントの試験団体を選ぶといいでしょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
受講しているキャリコン養成講座が対応している試験団体で選ぶ
試験団体を選ぶ際の方法のひとつに、「通っているキャリアコンサルタント養成講座が対応している団体を基準に選ぶ」という方法があります。
そのため、どちらの試験団体を受けるか迷ったときは、まず自分が通っている講座がどの団体に対応しているかを確認しましょう。そのうえで、対応団体に合わせて受験申し込みを行うのが安心です。


論述試験の解きやすさで選ぶ
受講している養成講座が両試験団体に対応している場合は、「論述試験の解きやすさ」で選ぶといいでしょう。
どちらの団体を選んでも合格基準や足切りラインは同じですが、設問の構成や回答しやすさは受験者の得意・不得意によって感じ方が異なります。自分にとって取り組みやすい形式を選ぶことが、合格への近道といえるでしょう。



論述試験の過去問は、以下のリンクから確認できます。
まずは両方の試験団体の問題を実際に解いてみて、出題形式や設問の分かりやすさを比較してみましょう。
もし「こちらのほうが解きやすい」と感じる団体があれば、そちらで受験するのがおすすめです。
試験団体別の合格率で選ぶ
「少しでも合格率の高い方法で受験したい」という人は、合格率が高い方の試験団体で選ぶことがおすすめです。
JCDA、CC協議会どちらで受験したとしても、基本的に難易度に大きな差はありません。
ただし、この差は試験回によって変動があり、「JCDAの方が簡単」と安易に断言できるものではありません。
また、どちらの団体も評価基準や難易度の根本的な部分は共通しているため、合格率だけで選ぶことはおすすめしません。
それでも「少しでも合格可能性を高めたい」という場合には、過去数回の合格率を比較して判断するのも選び方の一つといえるでしょう。



ただし、試験団体選びに時間をかけすぎるよりも、早めに試験対策を始めることの方が資格取得には効果的です。


キャリアコンサルティング技能検定を受ける人はCC協議会を選ぶべし
将来的に「キャリアコンサルティング技能検定(2級・1級)」の受験を視野に入れている人は、CC協議会を選ぶのがおすすめです。
なぜなら、技能検定の実施団体はCC協議会のみであり、同協議会の試験スタイルに慣れておくことで、上位資格へのステップアップがスムーズになるからです。
もちろん、JCDAで受験したからといって技能検定の合格が不利になることはありません。
しかし、特に「どちらを選ぶか迷っている」という場合は、将来的に技能検定を受ける予定があるかどうかを基準に決めるのがよいでしょう。
キャリコン試験団体の「キャリアコンサルティング協議会」と「日本キャリア開発協会」の違いに関するよくある質問
キャリアコンサルタントの試験団体選びに悩んでいる人のよくある質問について、以下に解説していきます。
受験団体によって試験内容に違いはあるの?
試験団体によって、論述試験の内容が異なることに加え、面接試験の「評価区分」が異なります。
日本キャリア開発協会の面接試験では「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のそれぞれ40%以上の獲得が足切りラインになるのに対し、キャリアコンサルティング協議会では「態度」「展開」「自己評価」の評価区分ごとに満点の40%以上が必要になります。



キャリアコンサルティング協議会の面接試験は「課題解決重視」、日本キャリア開発協会(JCDA)は「傾聴重視」と言われることがあります。
ただし、これらはあくまで一部の受験者や講師が感じている傾向であり、公式に発表された情報ではありません。
キャリアコンサルタントとして活躍していくためには、こうした小手先の試験情報に振り回されるのではなく、相談者を支援するための本質的なスキルを磨くことが大切です。
試験対策も、スキルの土台をしっかりと築く意識で臨みましょう。
キャリアコンサルタントの試験団体はなぜ2つあるの?
厚生労働省がキャリアコンサルタントの質を保つために設定した「登録試験機関」の要件をクリアしている団体が現時点で「キャリアコンサルティング協議会」と「日本キャリア開発協会」の2つであるためです。
2つの団体で同時に受験することはできますか?
「キャリアコンサルティング協議会」と「日本キャリア開発協会」は、いずれも同じ日程で試験を実施しています。そのため、両団体で同時に受験することはできません。
キャリアコンサルタント試験団体の選び方まとめ
本記事では、キャリアコンサルタントの試験団体の選び方について解説しました。
試験団体であるJCDAとCC協議会の共通点と違いは以下の通りです。
| 試験団体 (正式名称) | JCDA (特定非営利活動法人日本キャリア開発協会) | CC協議会 (特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会) |
|---|---|---|
| 試験の出題範囲 | 職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目 キャリアコンサルティングの理論に関する科目 キャリアコンサルティングの実務に関する科目 キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目 キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目 | |
| 合格率 | 45~65%程度 (学科・実技同時受験者の合格率) | |
| 試験時間 | 学科試験100分 論述試験50分 面接試験20分 | |
| 学科試験の内容 | 両試験団体で同じ内容が出題 | |
| 論述試験の内容 | JCDA:逐語記録を読み、設問に解答する CC協議会:事例記録を読み、設問に解答する ※問題形式がやや異なる | |
| 試験内容 (面接試験) | ロールプレイ15分+口頭試問5分 | |
| 合格基準 | 【学科】 100点満点で70点以上の得点 【実技】 150点満点で90点以上の得点(※) ※論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の評価区分の中の「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要 | (学科) 100点満点で70点以上の得点 (実技) 150点満点で90点以上の得点(※) ※論述は配点の40%以上の得点、かつ面接は評価区分「態度」「展開」「自己評価」ごとに満点の40%以上の得点が必要 |
| 試験日程 | 年3回(3月・7月・11月) 同じスケジュールで実施 | |
| 受験費用 | 合計38,800円 学科試験8,900円 実技試験29,900円 | |
参照:特定非営利活動法人 キャリアコンサルティング協議会「受験概要」
結論として、キャリアコンサルタントを目指す際は、どちらの団体で受験しても問題ありません。
キャリアコンサルタントとして求められるものは本質的には変わらず、試験難易度・合格率にも大きな違いはないためです。
それでも「どちらか決めかねる」場合は、以下のいずれかの方法で選ぶといいでしょう。
キャリアコンサルタント試験団体について理解した上で、これからの試験勉強に集中していただき、ぜひ合格を勝ち取っていきましょう!
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